2008年05月22日

彗星の如く奔る 入江九一

松下村塾四天王の一人、入江九一

1837年(天保8年)4月5日長州藩の下級武士、入江嘉伝次の長男として萩に生まれる。
13歳の頃より藩の下役に就くが、20歳のときに父が死去し、家計を助ける為に江戸藩邸に勤務するようになる。
1857年(安政4年)9月、中谷正亮から入江九一についての情報を得ていた松陰は、吉田稔麿を介して来塾を勧誘する。
しかし、この時入江は公務で江戸に居た為、実際に松下村塾への入門するのは1858年7月初旬になる。

吉田松陰は入江を
「使い走りの身でありながら、世を憂い、改革する強い志を持っている。その考えは自分と非常に共通している。しかし真に尊いのは、彼の憂いが切実で、それに対する改革策が本質を突いていることであり、私の及ぶところではない」
と賞賛しており、後に高杉晋作・久坂玄瑞・吉田稔麿と共に『松門四天王』に数えられるほどである。

ここで入江が高杉や久坂たちと違うのは、出自が低いことである。
此の辺りが松陰の志が高ければ家の位等は関係ないといったところの表れなのだろう。
才能や志高い人間をどんどん入塾させている。
また入江ももともとが下級武士だったので、己に奢る事無く実直に松陰の考えを受け入れ、それを実現するために奔走していく。

入江は師・吉田松陰の影響で、早くから尊王攘夷運動に奔走する。
1859年(安政6年)2月、間部詮勝の暗殺計画に加わりますが、この計画は長州藩行相府宛てに、松陰自ら襲撃申請をしており、藩により吉田松陰は投獄・松下村塾の閉鎖をもって阻止されてします。

どこの世の中に襲撃計画を申請する人がいるのだろう・・・この辺りが松陰の憎めないところというか、温かみを感じる部分である。
長州藩も松陰の才能は認めており、これを惜しんだために、これ以上松陰が暴走しないようにした手段だった。

獄中の松陰は入江九一に後事を託したという手紙を送り、なんとか計画を遂行してもらいたいと頼むのである。
松陰は京都に尊攘堂を建てて勤王の志士を祀り国民の志気を鼓舞したいと考えていた。
入江は実直にこの師からの依頼を受け、他の塾生たちが尻込みした「伏見要駕策」 (藩主を伏見で待ち伏せし、上洛して幕府の失政を問いただしてもらおうとするもの)に立ち上がるのです。

結局他の塾生から情報が漏れ、入江九一の代わりに伏見要駕策を実行しようとした弟、野村和作が逮捕される。
共謀した罪で入江九一も投獄されてしまう。

1859年(安政6年)6月、幕府は長州藩に松陰の江戸送致を命令する。
松陰は獄において、老中暗殺計画を自供して自らの思想を語りるのである。話せば分かってもらえると思っていたということだ。
しかし、幕府は松陰の考えは危険であると判断し、遂には吉田松陰は江戸にて処刑される。

1863年(文久3年)桜田門外の変で大老井伊直弼が倒れ、長州藩論が尊王攘夷に転じたたことにより松下村塾の名声は高まり、尊王攘夷に転じた藩によって従来からの志を認められ、地方組足軽から終身士雇に昇格した。

その後の入江の活躍はめざましく、久坂玄瑞に従い、関門海峡の外国船無断往航に対し砲撃したり、高杉晋作の奇兵隊の幹部に入り、暴走しがちな晋作を止めたりといたるところで入江は活躍するのである。


1864年(元治元年)禁門の変が起こります。
久坂玄端寺島忠三郎達らと山崎の天王山に屯し、浪士隊参謀として鷹司邸内で奮戦しますが、会津・薩摩を中心とした王城警護の軍の前になす術もなく敗北。
久坂の戦死に際して、「入江あとは頼む!」と後事を託され、囲みをついて出ようとした時、被弾して重傷を負いその場で切腹します。

入江九一 享年28歳。
彗星の如く、激動に奔り抜けた入江九一

その姿は吉田松陰から「君だけは国のために死ねる男児である」と評されるほど。

後年、木戸孝允・大村益次郎たちによって、長州藩内の桜山神社、朝日山護国神社、京都霊山護国神社、靖国神社に護国の英霊として祀られている。

ブログランキング参加中です。応援よろしくお願いします。
にほんブログ村 歴史ブログ 幕末・明治維新へブログランキング ドット ネット

      







この記事へのトラックバックURL
http://shouin1859.gifulog.com/t37872
この記事へのコメント
突然の書き込み、失礼致します。
「吉田松陰」で検索し、投稿させて頂きました。
主旨に合わない場合は、お手数でも削除願います。

「吉田松陰」の生涯を感動的に描いた演劇公演へのお誘いです。

◆公演名
SSTプロデュースvol.13
伝説シリーズ第4弾
 「あなたのすべて」

◆コメント
SSTプロデュースがお贈るする幕末劇の決定版!

1854年、下田沖のペリーの軍艦ポーハタン号に大胆にも小舟で漕ぎ着け、
アメリカへ連れて行って欲しいと懇願した男。
そして、安政の大獄で僅か29歳という若さで処刑されてしまった男。
それが「吉田松陰」。
短くも激しく燃え尽きた彼の人生。
彼の生き様に触れれば触れる程、我侭と自由の意味を取り違えた
現代人の呆れた言動に空しさを感じざるを得ない。
吉田松陰先生、今はただただ、あなたのすべてが欲しいのです。

出演は、かつて江頭2:50とコントコンビを組み、一世を風靡したコンタキンテ
を始めとした実力派揃い。

好評の伝説シリーズの4作目。
今回も、笑って泣いて元気が出る作品をご覧に入れます。



◆公演日程
2008年5月29日(木)~6月1日(日)

◆開演時間
29日(木)19:00~
30日(金)19:00~
31日(土)14:00~/19:00~
6月1日(日)14:00~
※開場は開演の30分前です。

◆場所
新宿サニーサイドシアター
http://www8.ocn.ne.jp/~sunnyway/

◆入場料
前売2,500円/当日2,800円

◆チケットご予約&お問い合わせ
SSTプロデュース
03-3415-4251
sunnyside3@infoseek.jp
http://haruka.yu-yake.com/

ご来場、心よりお待ち申し上げます。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
SST(新宿ニーサイドシアター)プロデュース
http://www8.ocn.ne.jp/~sunnyway/sst-index.html
Posted by SSTプロデュース・坂田 at 2008年05月22日 14:14